在宅持続静注療法の基礎知識 - カテーテルの留置とエポプロステノール静注用「ACT」の投与方法

エポプロステノール静注用「ACT」を持続的に注入するためには、長期にわたり薬を注入できる投与経路を確保しなければなりません。そのため、カテーテルと呼ばれる細いチューブを胸のあたりから静脈に挿入し、心臓に近い部分でそのまま固定することが必要です。

カテーテル留置には、入院して胸の切開をする必要があります。その際には局所麻酔、場合によって軽い全身麻酔を併せて行います。

カテーテルは、通常、胸のあたりから皮膚の下を約10〜20cm通し、そこから鎖骨下静脈に入れ、先端を心臓近くの中心静脈(上大静脈)に置きます。

カテーテルの手前側接続口と携帯型の精密輸液ポンプは、フィルターと呼ばれる異物(微粒子など)をろ過する器具と延長チューブでつなぎます。

この精密輸液ポンプに調製したエポプロステノール静注用「ACT」の薬液をセットして、ポンプから一定の速度で送り出します。

薬液は、延長チューブ、フィルターを通って、カテーテルから持続的に静脈内に注入されます。

カテーテル留置の影響
  • カテーテル留置術では、肺の障害や徐脈、低血圧などの合併症が生じる可能性がありますが、重篤な合併症の発生する割合は1%以下です。
  • 留置術の後に多少の皮下出血や痛みが起きることがありますが、通常数日で軽快します。
  • カテーテルは皮膚に縫合し固定されていますが、傷口が完全に治るまでの数ヵ月間は、カテーテルを強く引っぱると抜けてしまう恐れがあるので、特に注意が必要です。
  • カテーテル留置術を行うと、常にチューブが装着された状態になりますが、通常の衣服を着ればカテーテルは見えません。
  • カテーテルを挿入した部分や体の表面から出る部分の皮膚を数針ほど縫いますが、ほとんど目立たず、数ヵ月後には更にわかりにくくなります。